SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

歯科界の常識を超えるためのパブリック・コメント

活動報告



NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」~ぶれない志、革命の歯科医療が放映されました 「カンブリア宮殿」に熊谷崇が出演しました日吉歯科診療所 あしたのコミュニケーションラボ

歯科関係者感想

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延徳歯科医院

歯科医師 仲川 隆之

熊谷先生の歯科医療に対するあふれんばかりの情熱、日吉歯科35年の歴史が凝縮された素晴らしい内容でした。

 「Oral Physician、Medical Treatment Model、口腔内規格写真、唾液検査、カリオロジー、探針問題、Minimally Intervention、スプーンエキスカベータ、レーダーチャート、メインテナンス、個室診療室、Dental Drag Delivery System、院内専門医制、OHISなどなど…」、熊谷先生が日本の歯科医療に与えた影響は数え上げれば、きりがない程ですが、プロデューサーさんがどこに焦点を当てるか、非常に興味がありました。

 プロフェッショナルという番組の特性上、最新の術式を行う外科医、匠の技を持つ宮大工というような、Before Afterの変化が大きく、一般的に見栄えのする人物は取り上げやすいと思いますが、Before Afterの変化が小さく、地味で地道で時間のかかる予防歯科を取り上げるのは、苦労もあったと思います。しかし、その予防歯科にこそ、歯科医療の本当の価値があることは、視聴者に十分伝わったように感じます。

 熊谷先生の「ライセンスを持つ者の責任」という言葉は、歯科医師、歯科衛生士のみならず、すべての医療従事者に通じるものだと思います。歯科医師は、外科医のように命を左右する場面はほとんどありませんが、人生を左右する場面は少なくありません。歯科医師によって人生が好転した患者が大半であることを願いますが、現実には、残念ながら、身体的に、精神的に、経済的に、人生が狂った患者もいることでしょう。私は歯科医師になって約10年になりますが、抜けば二度と生えてこない、削れば二度と再生しない歯の治療をするたびに、何とも表現しにくい罪悪感を感じています。それは歯科における治療行為の多くが、真の意味での治癒を促している訳でなく、人工物による置換修復に過ぎないためだと思います。特に歯科医師になりたての頃は、この罪悪感が大きく、私が日々研鑽を積む理由は、この罪悪感を少しでも減らすためなのかもしれません。逆に予防を通じて、健全な歯、歯周組織を見るたびに、心が洗われる思いがして、歯科医師ライセンスを有することへの喜びを感じることができます。

 今回の放送でひとつだけ危惧しているのは、「唾液検査=予防歯科」という誤解が生じないかと言うことです。唾液検査は、一般の方には、目新しいですし、インパクトもあるかと思いますが、唾液検査はMTMのほんの一部分で、「唾液検査の実施している医院=Oral Physician」ではありません。視聴者に「唾液検査をしてくれる歯医者=良い歯医者」と思われたり、歯科医院側に「うちは唾液検査をしているから、日吉歯科と一緒」、もしくは「今後唾液検査をすれば、患者を呼び込める」という発想が生まれないことを願います。そういう意味では、唾液検査の比重を落としてでも、日吉歯科通院患者の残存歯数、DMFT、カリエスフリー率といったデータ、長期症例の経過、実績にフォーカスを当ててもよかったかなと思います。

 長期間に及ぶ、膨大かつ緻密な取材が容易に想像できる、中身の濃い放送でした。50分に編集するのはとても大変だったのではないでしょうか。他の取材テープも情報の宝庫だと思いますし、何かの形で日の目を見る日が来ることを願っています。

 当院では放送日時を事前に院内掲示していたこともあり、数日経っただけですが、通院患者さんから様々な声をいただきました。その多くが日吉歯科の取り組みを讃え、延徳歯科の取り組みに感謝をするものでした。また放送を見て、初診の予約を取られた患者さんもいらっしゃいます。熊谷先生のもとで5年間仕事をさせてもらった者の責務として、来院患者、地域住民の口腔の健康に寄与できるよう邁進したいと思います。