SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

セミナー


日本の歯科医療への提言  
日吉歯科診療所30年の臨床から見えてきたもの


◆講演要旨

早いもので、私が大学を卒業してから40年以上の時間が経過し、現在地に日吉歯科診療所を開設してから30年が過ぎた。
日吉歯科診療所を開設後の30年間は地域医療に徹した。
しかしながら、地域住民の口腔の健康を向上させその結果を示すためには、それまでの日本の歯科医療観を根底から変える作業が必要であり、私自身はもちろん、スタッフや患者自身も歯科医療の本来の目的を見つめ直す必要があった。
しだいに、治療重視の視点から、「一生自分の歯で食べる」ことを可能とする歯科医療システムの構築に考え方がシフトし、そのための考え方やノウハウを北欧や米国から貪欲に吸収した上で、日本の事情にあわせて日吉歯科の臨床を作り上げていった。
そのような臨床を積み重ねてゆくに従い重要さを増したのは、行った歯科医療の予後をどのように評価するかということであった。
そのための作業として、日吉歯科診療所では来院した患者全ての患者データを丹念にとり続けることをルーティンワークとしてきたが、そのような背景で得られた長期にわたるメインテナンス患者データから、予後の評価に関して一定の成果が得られたことは幸いなことであった。
しかしながら、歯科医療にメインテナンスという概念が全くなかった時代において、メインテナンスの価値を理解し、定期的なメインテナンスを実践する患者を育ててゆく過程においては悪戦苦闘の連続でもあった。
 歯科医療にもイノベーションが必要である。
しかし、日本の歯科医療におけるイノベーションは治療技術や材料の進歩だけを指すのではなく、患者の健康を守るため、つまり予後の評価を向上させるための臨床における歯科医療システムの構築そのものがイノベートされなければならないと考える。
このような変革は、最先端の技術や材料を臨床に導入する以上に難しく、行政のバックアップの無い現状ではより強い信念と高い臨床能力が必要とされる。
 歯科医療を高い次元で見据え、歯科医療本来の持つ使命を果たすために、今後歯科医療がどのようにイノベートされるべきなのか、私の日吉歯科診療所における30年の臨床データから見えてきた未来像を総括したいと考えている。
 なお、私は契約の残る一部の講演と私が主宰している「オーラルフィジシャン育成セミナー」関連の講演をのぞいた対外的な講演活動は今回の講演で一区切りをつけたいと考えている。そのような意味で、今回の講演は私のこれまでの仕事の集大成として位置づけ、準備する予定である。


日時 2011/09/11(日) 12:30~16:30
会場 日本大学歯学部 1号館 4階 大講堂
〒101-8310 東京都千代田区神田駿河台1-8-13
TEL.03-3294-2787 FAX.03-3284-2800
日本大学歯学部へのアクセス
定員 200名

■講習の詳細、お申し込み

この講演は、「日本大学歯学部同窓会生涯研修2011」の一環として行われます。詳細の確認、お申し込み、お問い合わせについては、下記の書類、または下記のページをごらんください。

2011/05/20:満席となりました。今後のお申し込みはキャンセル待ちとなります。

2011/07/01:キャンセル待ちは閉め切りました。当日申し込みはお受けできない状況です。

詳細・申し込み書類

日本大学歯学部同窓会生涯研修2011

日本大学歯学部同窓会


■活動報告

活動報告