SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

活動報告


DH見学セミナー 34期 2012/07/08〜2012/07/11


◆Mデンタルクリニック松野歯科 平柳 幸

 

この度は衛生士を対象としたセミナーに参加させていただきまして、ありがとうございました。診療の慌ただしさ、忙しさに日々を追われ過ごしてきた私にとりまして貴重な体験となりました。あらためて感謝いたします。


今までMTMの重要性についてその理念がどんなものなのか、分かろうとしないまま仕事に取り組んでいました。ですから、院長が何を考えて何をやろうとしているか理解できず『振り回されている』ような感覚さえありました。そんな私たちですが、セミナーというかたちで徳本さんの講義や、DH見学セミナーに先立って行われた「オーラルフィジシャン・チームミーティング2012」を聴くことで自分たちが診療に取り入れているものの有用性を頭で理解できました。それは全てにおける支柱となる考え方「真の患者利益を」という思想です。「真の」という部分が、いかに既存の歯科医療が本当の意味での患者さんにとって利益になっていなかったかを表しているといえます。「命の寿命と歯の寿命を逆転させる」ためにMTMは唯一の手段とさえ思います。


実際に日吉歯科診療所内でその実践が行われている現場を見学できることに胸が高鳴りました。圧倒的な設備の充実で可能となる完璧なまでの消毒、滅菌システムや画像診断とそれらを使いこなせる各スタッフの技術の高さ。衛生士さんや助手さんの患者さんとの信頼関係の強さは熊谷先生の理念がスタッフの方一人一人に行き渡り浸透している結果が目に見えるかたちで結実したものに他なりません。見学の私たちが質問しても快くていねいに答えていただき、「一緒に頑張っていきましょうね」という同じ目線で会話をしていただける気持ちの大きさと優しさに感動する日々でした。熊谷先生におかれましては見学期間中の朝と夜に質疑応答の時間を設けてくださり、多忙の日々の中私達に時間を割いていただいて感謝いたします。見学中においても気軽に質問に答えてくださるその様子の中に、歯科医療界に対して本当に今変えていかなければ手遅れになってしまうーというような切迫感があるようにも思えました。少し話はずれますが、原子力の業界にいながら反原発を訴え続けるも、福島の原発事故を防ぐ事ができなかったとして責任を感じている京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生を彷彿させます。


さて、これからいよいよ現世に戻り現場にこの体験を還元していかなければなりませんが、伝えることの難しさを痛感することと思います。院長とスタッフたちとのコミュニケーションやスタッフ間の温度差、予想される壁は少なくないように思われますが、まず参加した私たち二人が仕事において小さなところから改革をしていかなければと考えています。具体的にはこれからこのセミナーの内容を復習し咀嚼してからそのためのツールを二人で考えてみます。今後ともご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。