SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

SATについて


2016年 新年のごあいさつ

日吉歯科診療所 熊谷 崇

旧年中はオーラルフィジシャンコースの活動をサポートいただきありがとうございました。


酒田で日吉歯科診療所を開業し36年がたちました。酒田市民の口腔の健康を世界一にしようという想いを強く抱き、改革と改善を繰り返してきた結果、日吉歯科に来院する多くの患者さんの口腔の健康を維持することができるようになりました。昨年は、その成果を「酒田市市民功労賞」という形で評価頂いたことは大変嬉しく存じます。こういった評価を受ける場合には、組織の推薦を受けることが慣わしのようです。しかし、そういった組織の後ろ盾なく私が受賞することができたのは、真面目に来院される患者さん、そして、これまで日吉歯科に携わったスタッフや関係者の皆様のおかげだと、心より感謝申し上げます。

酒田市顕彰式



2014年に放送されたNHKプロフェッショナル・仕事の流儀の反響から、新たな取り組みが数多く生まれた2015年だったと感じております。


2015年1月に厚生労働省が「むし歯・歯周病にかかっていない健康な人の予防メインテナンスは保険適応外である」と公式に明らかにしました。さらに、一般企業において健康経営として、経営者が従業員の健康に配慮した企業を戦略的に創造することによって、組織の健康と健全な経営を維持していくことを会社に求めています。そういった戦略において、いくつかの企業では福利厚生として、社員の口腔メインテナンス費用を補助する新しい仕組みが作られはじめています。既に、株式会社平田牧場や株式会社ナカニシ、シロナデンタルシステムズ株式会社が福利厚生として口腔メインテナンス補助をスタートさせ、富士通が制度検討を始めております。


<具体例>

「社員の口腔メインテナンス受診に際して、福利厚生として年間15000円を会社が補助

  ただし、自由診療メインテナンスに限る。」


しかし、一般企業が健康経営における歯科メインテナンスの重要性を理解しはじめている中で、その受け皿となる自費でメインテナンスを行っている歯科医院が少なく、企業側も躊躇しているのが現状です。人々の健康に我々が寄与するためにも早急にメインテナンスを自費化する必要があります。それをサポートするために、私たちは富士通と提携して患者情報提供ツールの開発に着手しております。患者さんの健康に関する情報をスムーズに収集・提示することで、患者さんの意識をより高めることができると同時に、日々の作業を簡素することができます。今後は、医院間における情報共有やデータの蓄積を実現し、医療・研究・公的機関などの関連ステークホルダーとの連携で、国民により最適な医療サービスが提供できる事を目標としています。ソフトウェアは第一段階レベルのものが4月以降に使用できるようにプロジェクトを進めております。


なお、2015年チームミーティングの売り上げ一部を、開発費として利用させていただいております。次世代の歯科医療産業の発展に対する投資として、オーラルフィジシャンの皆様におかれましてはご理解いただければ幸いです。

 

このように全国の一般企業や国民の方々と出会うたびに、「どうして日吉歯科が東京にないのですか」というメッセージを数多く頂きました。そういった皆様の声を聞き、日吉歯科診療所は2016年3月30日に東京・汐留にて歯科診療所を開設することといたしました。これまで全国から日吉歯科を受診したいと患者さんが酒田を訪れましたが、継続的なメインテナンスができないことからお断りしてまいりました。今後は汐留診療所において多くの方々のご希望に添えると同時に、周囲の医院とも連携をはかることで、歯科医療業界全体の発展を目指したいと思います。

新規開院のお知らせ



また、2015年は国内にとどまることなく、海外からの視察も多くございました。中でも、タイからはスラナリー工科大学に歯学部が新設されることに際して、オーラルフィジシャン教育を全面的に採用する目的で交流が始まりました。大学教授陣だけでなく厚生大臣もお見えになり、また、私もタイに召喚されて公演いたしました。私たちの取り組みは国際的にも高く評価をされており、日本から世界に向けて医療モデルを輸出するフェーズに入ってきたことを実感しております。

タイでの講演会(ライオン-オーラルヘルス-アワード2015)報告



歯科界は変革の時を向かえ、今まさに新しい歯科医療が動き出している鼓動を感じます。2016年は社会を巻き込んだ歯科医療の新しいスタートの年にすべく、取り組みの一つ一つを具現化して参りたいと思います。


さて、2016年もオーラルフィジシャングループ、日吉歯科診療所では、本当の患者利益を実現することのできる診療室、いわば地域の中心となる診療室づくりを支援していくための取り組みを継続しておこないます。

研修の詳細は下記の通りです。


◆オーラルフィジシャンチームミーティング

今年のチームミーティングは2016年10月15日(土)、16日(日)に開催致します。酒田市民会館希望ホールを会場としてご用意致しました。今年も魅力的なプログラムをご用意致しましたので、多くの方にご参加頂きたいと思います。


これまでチームミーティングでは収益から経費を差し引いた金額を全て震災へ寄付してまいりました。寄付金は下記の通りとなっています。


<山形新聞愛の事業団寄付金>

  2011年熊谷 崇ファイナル講演会 1,470,197円
  2011年チームミーティング 1,008,500円
  2012年チームミーティング 2,000,000円
  2015年チームミーティング 2,300,000円

<トランスパシフィックキャンペーン・福島県飯舘村寄付金>

  2013年・2014年チームミーティング 3,293,763円
    
  これまでの総額 10,072,460円


2016年チームミーティング詳細は下記をご参照ください。募集は2016年1月4日より開始する予定です。

オーラルフィジシャン・チームミーティング2016


◆スウェーデンマルメ研修

6月にはスウェーデン・マルメ大学研修を開催します。毎回募集開始と同日に定員を満たすほど人気のあるこの研修も今回で4回目を向かえ、これまで以上に充実した素晴らしいプログラムを企画しております。今回のはマルメ大学の全面協力により、定員を100名と大幅に増やすことができただけでなく、衛生士のハンズオン研修も取り入れていただくことができました。予防先進国スウェーデンに実際に赴き、歯科医療哲学を自ら見て感じ、これからの自身の歯科医療をどう構築すれば、患者さんの真の利益に結びつけることができるかということを、しっかり学び、そして考える機会にしていただきたいと思います。


>マルメ研修活動報告 2014 2011 2007


◆法に則ったメインテナンスを実施するためのセミナー

2015年1月に厚生労働省が予防メインテナンスへの保険適用に関する見解として、「むし歯・歯周病にかかっていない健康な人の予防メインテナンスは保険適応外である」と公式に明らかにしました。


本セミナーでは、「日吉歯科がメインテナンス自費化をスタートするまでに院内で患者さんに行っていた対応」、「実際のメインテナンスプログラム」、「自費化に伴う患者さんの反応、またその変化」、「これからの歯科医療の展望(企業との連携)」を皆様にお伝えいたします。早急にメインテナンスを自由診療として行い、企業との連携を含めて皆様の診療室がますます発展できますように、役立てていただきたいと思います。


法に則ったメインテナンスを実施するためのセミナー


この一年皆さんと、皆さんのご家族のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。