SAT 真の患者利益のため予防歯科を中心にした歯科医療へ

SATについて


2015年 新年のごあいさつ

日吉歯科診療所 熊谷 崇

新年あけましておめでとうございます。


皆様方におかれましては、それぞれ決意を胸に秘めて新しい年を迎えられたことと思います。


旧年中はオーラルフィジシャンコースの活動をサポートいただきありがとうございました。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に私が取り上げられ、2014年10月27日に番組が放送されました。放送後、全国より多くの反響をいただいています。


NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」ぶれない志、革新の歯科医療 歯科医 熊谷崇


インターネット上では「熊谷崇」というキーワードが2日間で3万件を超えて検索され、日吉歯科へも通常業務が困難になるほどの問い合わせが殺到しました。2014年12月末までに電話は716件(放送翌日には131件)、手紙は52通頂き、その内容の多くは同様の取り組みをしている医院を紹介してほしいといった相談でした。中には、日吉歯科を受診したいと、全国から来院される患者も多数いらっしゃいました。この反響からも、多くの人が残念ながら従来型の歯科医療に満足していないことは明らかで、オーラルフィジシャンとしての在り方が重要だと再認識する事ができました。


全国の患者からオーラルフィジシャン診療室を紹介して欲しいという問い合わせが多数よせられ、全てのご相談にお返事させて頂きました。私も自信をもってオーラルフィジシャン育成セミナーを受講した全国の医院をご紹介したい気持ちはありました。しかし、実際に紹介してみると、紹介先でのトラブルや不満の声を耳にし、受け入れ側である歯科医院において様々な課題を抱えていることが分かりました。メディカルトリートメントモデルがしっかりと実践できていない、特に初診対応時に規格性のある資料を患者に苦痛なく素早く採取することができない、資料を活かして説明ができないといった、本来はできて当然といえることで多くの医院が課題を抱えているようです。


そこで、「MTM初診時対応セミナー」を急遽開催し、初診時に規格性のとれた資料を迅速に採取することを目的に徹底的にトレーニングしました。参加者の様子を見ますと、研修前には満足のいく資料取りができていなかった衛生士も、研修後にはしっかりと規格性のとれた資料を素早く採取できるようになっていました。こういった研修を経て、しっかりとした教育プログラムで具体的に学ぶ事で多くの課題はクリアできると分かりました。そのため、基本がしっかりとできるように各論研修をもっと充実させなければならないと感じ、2015年は歯科医師・衛生士向けの研修を新たに企画致しました。衛生士には基礎コースとして「MTM初診時対応セミナー」を引き続き開催し、更にスキルアップを図るための「衛生士アドバンスセミナー」を新設しました。また、歯科医師を対象に「オーラルフィジシャンEBDセミナー」を新たに設け、日々の基本的な臨床に関するエビデンスに基づいた臨床を各分野の専門医から学ぶ研修を開催しようと考えました。


研修の詳細は下記の通りです。


<MTM初診時対応セミナー>

本研修では初診時の資料取りにフォーカスし、素早く正確に資料とりができるようになるまで徹底的にトレーニングします。過去の参加者からの評価は高く、好評を頂いております。参加者の感想文もあわせてご覧下さい。

MTM初診時対応セミナー


<衛生士アドバンスセミナー>

本研修は口腔内写真撮影やX線の位置づけはできるが、それ以降のMTMの各ステップにおいて課題を抱えている衛生士を対象に、更なるスキルアップができる研修です。リスクアセスメントや検査結果の説明、病因論、データ入力と活用、予防プログラム立案まで、実際の臨床でどのように活かすと良いのか、日吉歯科衛生士による実習を含めたレクチャーを行います。

衛生士アドバンスセミナー


<オーラルフィジシャンEBDセミナー>

GPが日常的によく遭遇する基本的な治療に対し、国際標準の歯科治療を実践するために必要なEBDの実践方法を、各分野の専門医から学びます。全5回コースでじっくりと学び、最終回には参加者によるケースプレゼンテーションを通じて実際の臨床に落とし込めるよう構成しています。

オーラルフィジシャンEBDセミナー


<生涯健康な口腔を維持するためのU20の取り組み(U20セミナー)>

U20は小児患者の健康維持から専門医との連携までを担う、まさに「専門医療」です。その重要性は既に皆様も知るところとなっています。しかし、その考え方や取り組みについて知る機会は少なく、オーラルフィジシャン育成セミナーでは限られた時間のため概要のご紹介をしてきました。2015年は新たにU20セミナーを新設し、U20の取り組みにおける「誰が、どこで、なぜ、いつ、何を、どのようにすべきなのか」をテーマにこれまでよりも踏み込んだところまでお伝えします。

生涯健康な口腔を維持するためのU20の取り組み(U20セミナー)


◆「きらきら は・は・歯」発売

2014年チームミーティングでは、株式会社平田牧場様スポンサーのもと「しげちゃん一座 絵本&トークLIVE」が開催されました。しげちゃん一座とはタレントの室井滋さんと絵本作家の長谷川義史さん、ピアニストの大友剛さん サックス奏者の岡淳さんによって結成され、絵本の楽しさを伝えたいと、全国各地で「絵本ライブ」というステージを展開されています。


室井さんと長谷川さんとともに歯科医療を絵本で伝えるプロジェクトを立ち上げ、歯に対する予防を題材とした絵本「きらきら は・は・歯」を作成して頂きました。この絵本は歯科医療従事者が作成する絵本と違い、国民目線で分かりやすく大変好評を頂いています。皆さんの診療室へ来院される子供達のためにも、ぜひお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんをはじめ、皆様のご友人やお知り合いの方にもこの絵本を読んで頂くようご推薦ください。

きらきら は・は・歯(世界文化社)


◆オーラルフィジシャン・チームミーティング寄付金について

2015年のチームミーティングは2015年10月3日(土)、4日(日)に開催致します。今年も魅力的なプログラムをご用意致しましたので、多くの方にご参加頂きたいと思います。

オーラルフィジシャン・チームミーティング2015


これまでチームミーティングでは収益から経費を差し引いた金額を全て震災へ寄付してまいりました。チームミーティングで寄付を始めようと思ったきっかけには歌手の八神純子さんとの出会いがありました。2011年の年末に八神さんが庄内でチャリティーコンサートを開催され、そこで初めて八神さんの復興支援への取り組み、そして「翼」という曲の歌詞とそこに込められた想いを知りました。


 がんばれ日本 愛する日本
 生きてくことは 戦いだけど
 がんばれ日本 美しい日本
 ためらわないで 手を差し伸べよう


私は彼女の考え方に感動し、オーラルフィジシャンコースでも復興支援のためにできる限りの事をしようと心に決めました。その想いが彼女へも届き、これまでのチームミーティングではボランティアにてチャリティーコンサートを開催して頂いてます。


2013年までは山形新聞愛の事業団へ寄付しておりましたが、どこへ寄付が届いているのかが分からないといった事がありましたため、2014年からは八神純子さんが運営されている、トランスパシフィックキャンペーンを通じて福島県飯舘村へ直接寄付させて頂きました。

トランスパシフィックキャンペーン

>飯舘村ホームページ


今後も引き続きチームミーティングでは寄付金を通じて、皆様の想いを東北の人々へ届けて参りたいと思います。これまでの寄付金は下記の通りとなっています。


<山形新聞愛の事業団寄付金>

  2011年熊谷 崇ファイナル講演会 1,470,197円
  2011年チームミーティング 1,008,500円
  2012年チームミーティング 2,000,000円

<トランスパシフィックキャンペーン・福島県飯舘村寄付金>

  2013年・2014年チームミーティング 3,293,763円
   
  これまでの総額 7,772,460円

・福島県飯舘村からの感謝状 (画像をクリックすると拡大します)

 



これまで多大なご協力頂いている八神純子さんの曲をぜひ皆様にもお聞き頂きたいと思っています。私のお勧めも記載致しますのであわせてチェックしてみてください。


 翼/かれ木に花を咲かせましょう
 The night Flight
 Here I am premium

八神純子さんホームページ


なお、チームミーティングは、SAT事務局と日吉歯科診療所のボランティアによって運営させて頂いております。運営に際してご参加される皆様にはご不便をおかけする点もあるかと思いますが、ご参加される皆様には上記の旨をどうぞご理解頂き、お一人お一人が運営しているお気持ちでご参加頂くようお願い致します。


◆データ管理ソフトについて

データ管理ソフトの開発(SAT innovation Map)については、残念ながら現在開発を中断させて頂いております。臨床のアウトカムを評価し、次の科学的根拠を紡ぎだしていくために、ソフトの開発にこれまで取り組んで参りました。コンテンツ、データ、デザインなど何度も打ち合わせをして参りましたが開発に至る事ができませんでした。オーラルフィジシャン診療室の皆様の期待におこたえすることができず深くお詫び申し上げます。

データ管理ソフトによって多くの医院で医院・個人・歯牙単位のデータを集積し解析することができるようになり、それらのデータによって歯科界は更に発展し、患者の口腔の健康にも寄与することがきます。本来は当たり前の事ですが、これから医療分野でもこういったデータは益々重要になりますので、次の世代の若い英知に期待したいと思います。


最後になりましたが、私のプロフェッショナル像を記載させて頂きますので、2015年の始まりにもう一度読んで頂き、一人一人がプロ意識を持って日々の臨床と向き合い、今年も更なる飛躍の年として頂きたいと願っています。


 夢を叶えるために
 あえて困難な道を選択し、
 先入観や既成概念にとらわれず、
 情熱をかたむけて創意工夫をし、
 ぶれずに目的を達成しようと努力する人


この一年皆さんと、皆さんのご家族のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。